90年代のヒップホップは、それまでのjazz,soul,funkなどの優れた音楽をサンプリングという方法とターンテーブルを使い、見事なまでに現代的な音楽へと進化させた。特に1994年はHIPHOP黄金期のターニングポイントで、ヒップホップを知る上では通り過ぎることができないほど、HIPHOP CLASSIC(ヒップホップクラシック)と呼ばれる良質な作品が生み出された。その影響は世界に広がり、インターネットの普及と共によりグローバルなものになり、それから30年ほど経った今でもトレンドの中心にある。90年代のヒップホップは今のブラックミュージックの原点であり、紐解くことは次の新しい音楽の糧となるはずだ。今回はルーツであり、後世に影響を与えた洋楽のHIPHOP作品をいくつか紹介したいと思います。どなたかの新しい音楽の発見になれば幸いです。
Rakim(ラキム)|The Master
Rakim(ラキム)
The Master
レーベル : Universal Records
製作年 : 1999年
評価 :
1999年に発表されたラキムの2ndアルバムで
DJ Clark KentやDJ premier、The 45 KING、Big Jaz(Jaz-O)などの豪華プロデューサーを招き制作された。サンプリングベースにBPM90前後のビターなビートに、Rakim(ラキム)のタイトなラップがバッチリハマった傑作アルバムです!特徴に「When I B On Tha Mic」は、Dj Premierのスクラッチがバッチリハマった疾走感溢れるトラックに、タイトなラキムのラップが好相性な90年ヒップホップクラシックだ。
NAS|Illmatic
NAS
Illmatic
レーベル : COLUMBIA
製作年 : 1994年
評価 :
1994年に発表された1st アルバムであるNasのアルバムで、この作品がきっかけで全世界にHIPHOPウィルスが蔓延したといっても過言ではないほどの90年代HIPHOPの金字塔的作品で、今でもオリジナルのレコードは軽く数万円単位で取引されるほどHIPHOPの歴史的遺産となっています。
プロデューサーは指折りの職人たちでDJ Premier,peterock,large professer,q-tipなどのレジェンドの面々が参加し、サンプリングをベースにしたタイトなトラックを提供しています。
Wildstyleの音源をサンプリングしたイントロから始まり、DJ Premier作の黒々しいストリートアンセム「NY state of mind」、Ahmad Jamal Trio / I Love Musicをサンプリングしたピアノの音色が美しいpeterock作の「The World Is Yours」など、当時のストリートの空気を纏った全曲歴史的なhiphop classicが詰まっている名盤中の名盤です。HIPHOP好きなら一度は絶対に聴きましょう。
Notorious B.I.G|Ready To Die
Notorious B.I.G
Ready To Die
レーベル : Bad Boy
製作年 : 1994年
評価 :
Nasのillmaticなどと同時期の1994年にリリースされたHIPHOP CLASSICで、プロデューサー陣にEASY MO BEEやDJPremier、DITCからLORD FINNESSなどの大物が参加したNotorious B.I.G(ノトーリアス・B.I.G.)のファースト・アルバム。全体的に当時のイーストコーストの空気が漂うアンダーグラウンドな楽曲が勢揃いで(こんなドープな曲達が当時の大衆音楽だったなんて信じられない!!)、時を超越して、これからもHIPHOPのバイブルになるであろう一枚。
オススメ曲をあげればキリが無いが中でもオススメしたいのが、ウェストコーストのようなピローなソウルトラックにbiggieのラップがバッチリハマった「Juicy」、「Big poppa」などの曲やEASY MO BEE作のハープの音色とベースラインが危ない雰囲気を作り出している「Things Done changed」。
どのトラックにも負けない存在感のあるbiggieのラップは、これからもラッパーを志す者の鏡となるに違いないだろう。文句なしのヒップホップクラシックの一枚で、90年代ヒップホップの代名詞的な傑作アルバムだ。
MOBB DEEP|THE INFAMOUS
THE INFAMOUS
MOBB DEEP
レーベル : Loud
製作年 : 1995年
評価 :
ProdigyとHavocの二人からなるニューヨークのクイーンズ出身のヒップホップグループで、Nas、Raekwon、Ghostface Killah、Q-Tipなどの豪華面々が参加したアルバムです。
エミネムが出演の映画「8mile」でも使われたストリートの危ない空気を再現するShook Ones (Part II)が収録された名盤で、他にもクオリティの高い “Survival of the Fittest”, “Temperature’s Rising”, “Give Up the Goods (Just Step)”といったシングルカットされたHIPHOP CLASSICが満載のアルバムです。
20年以上の時を超えた今でも本物のHIPHOP名盤として燦然と輝き、新世代に影響を与え続けている黒くドープな90年代HIPHOP CLASSICの一枚です。
Smif-n-Wessun|Dah Shinin
Smif-n-Wessun
Dah Shinin
レーベル : Wreck
製作年 : 1995年
評価 :
ニューヨークのブルックリンを拠点とするヒップホップ集団のブート・キャンプ・クリック(Boot Camp Clik)のメンバーであるSmif-n-Wessun a.k.a.Cocoa Brovazのファーストアルバムで、タイトなドラムと中毒性の高いベース音が特徴的な、NYアンダーグラウンドのサウンドプロダクションでMr.Walt(ミスター・ウォルト)とEvil Dee(イーヴィル・ディー)を中心としたDa Beatminerz(ビート・マイナーズ)によって製作された90年代の黄金期のヒップホップを語る上で欠かせない1995年の作品。
HIPHOP CLASSICとして名高いMELLOWな「Bucktown」、noisyな上ネタとベースラインがベストな「Wontime」、Roy Ayers Ubiquity「We Live In Brooklyn」ネタ「Home Sweet Home」などサンプリングを主体としたNYマナーなヒップホップクラシックです。
LORD FINESSE|THE AWAKENING
LORD FINESSE
THE AWAKENING
レーベル : Penalty
製作年 : 1995年
評価 :
D.I.T.CのメンバーであるLord Finesseの作品で、今でも文句なしのクオリティで、この作品を超えるHIPHOPアルバムは数少ないと言えるだろう。1995年に発表された90年代ヒップホップの金字塔です。
ファンキー・オーセンティックなオルガンとFender Rhodesの音色が美しいイントロから、シングルカットもされたMELLOWなアンダーグラウンドクラシック「Gameplan」や「Hip 2 Da Game」などD.I.T.Cマナーなドープなサンプリングセンスから作られる極上HIPHOP CLASSICです。サンプリングの美学をとくとご覧あれ!
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