アフリカ回帰や崇高な精神性を求める方向性から発生したムーブメントで、ジャズの即興でフリーな音楽スタイルとソウル、ゴスペル、ファンクなど様々な音楽性とリズムが融合し、ブラックネス溢れる珠玉のグルーブが多く生み出された。神秘的で黒く、ファンクネス、ソウルフル様々な要素が混ざり合った楽曲はのちにレアグルーブとなり、現代を代表するブラックミュージックの立役者に多くの影響を与えた。John coltraneを中心としたムーブメントの中にもスピリチュアル・ジャズの影響が色濃く残る。アリス・コルトレーンやファラオサンダース、マッコイ・タイナーと言った黄金期のジョン・コルトレーンを支える面々の作品を聴いても、随所にspiritual jazzの影響を感じることができる。今回はそんなスピリチュアルジャズの洋楽をいくつかご紹介してみたいと思います。新しいジャズの発見になれば幸いです。
Mccoy Tyner / Atlantis
Mccoy Tyner
Atlantis
レーベル : Milestone
評価 :
ジョン・コルトレーン・カルテットのピアニストとして有名なマッコイ・タイナーによる1974年に制作された作品で、サキソフォンにはアズール・ローレンス(Azar Lawrence)、、バースにはジョニ・ブース(Joony Booth)、ドラムにウィルビー・フィッシャー(Wilby Fletcher )といったメンバーで構成されている。スリチュアルでファンクネス溢れるブラックミュージックに仕上がっている。アルバムタイトルの「Atrantis」は、アルバムイメージの如く、神殿を思わせる壮大で神秘的なオープニングNo.だ。そのほか「making out」は非常にスピリチュアルで濃密なジャズファンクに仕上がっている。この時代のマッコイ・タイナー(McCoy tyner)のスピリチュアルナンバーを堪能できる、70年代のスピリチュアル・ジャズファンクの名盤の一枚だ。
Pharoah sanders / love will find a way
Pharoah Sanders
love will find a way
レーベル : arista
評価 :
「ラブ・ウィル・ファインド・ア・ウェイ」は、アメリカのジャズ・サックス奏者であるファラオ・サンダースによる1978年のアルバムです。ジャズとソウルの影響が融合し、サンダースの特徴的なフリージャズスタイルとR&Bのリズムやボーカルがシームレスに融合したアルバムで、プロデューサーに、Norman Connors が参加しています。
「ラブ・ウィル・ファインド・ア・ウェイ」です。瞑想的な美しいイントロが特徴的なスムースな内容で、「love is here」はヴォーカルにフィリス・ハイマンを迎えたメロディアスでスピリチュアルな雰囲気を纏う素晴らしい楽曲になっている。「ファロンバ」は、タイトなリズムが映えるファンキーなインストゥルメンタルトラックで、サンダースの爽快なサックス演奏が披露されています。アルバム全体を通して、サンダースのフリージャズスタイルは常に存在感を示しており、ソウルフルなサックスラインが中心に据えられ、キーボードやギター、パーカッションなどのさまざまな楽器も使用され、音楽に深みと複雑さを加えられています。70年代を代表するspiritual jazz 名盤の一枚です。
【商品紹介】
Sun ra / sleeping beauty
Sun ra
sleeping beauty
レーベル : El Saturn
評価 :
“スリーピング・ビューティー “は、ジャズミュージシャンのサン・ラーとそのアーケストラが1979年に発表したスタジオアルバムである。このアルバムは、サン・ラーの特別な音楽的ビジョンとジャズの境界を押し広げる彼のアーケストラの能力を示す作品です。アルバムの冒頭を飾る「Springtime Again」は、空間を包みこむ穏やかなメロディを持つスピリチュアルジャズ、「Door of the cosmos」は、フリーな要素を合わせ持つ飽きのこない展開で、sun raによるジャズファンク寄りの作品。「Sleeping Beauty」は、サン・ラーの最高傑作の一曲としても知れ渡る、究極にmellowでスピリチュアルなエレピが映える名曲だ。実験的なジャズや前衛的なスピリチュアルジャズが好きなら、コレクションに欠かせない名盤の一枚だ。
【商品紹介】
Sun ra / Lanquidity
Sun ra
Lanquidity
レーベル : Philly Jazz
評価 :
“Lanquidity “は、ジャズミュージシャンのサン・ラーとそのアーケストラが1978年に発表したアルバムです。ジャズ、ファンク、前衛音楽の要素を融合させ、真に独創的で別世界のサウンドを作り上げたサン・ラー独自の音楽観を見事に披露したアルバムです。
アルバムのオープニングを飾るのは、タイトル曲の「lanquidity」は、魅惑的でドリーミーなインストゥルメンタル曲で、スローで催眠的なグルーヴと、幽玄なシンセとキーボードのテクスチャが幾重にも重なり、没入感のある別世界のような雰囲気を作り出しています。「Where Pathways Meet」は、ジャズとファンクの要素をシームレスにブレンドするアーケストラの能力を示す曲で、ここまで中毒性のあるグルーブ、ファンクネスを持つ作品は少ないのではないだろうか。「That’s How I Feel」に於いても比類なきブラックネスとグルーブを持つ名作だ。このアルバムは実験的ジャズの傑作であり、サン・ラーの比類なき音楽的ビジョンを証明するものである。ジャズ、ファンク、アバンギャルドの要素を融合させたこのアルバムは、魅惑に満ちたユニークで別世界のようなサウンドを生み出しています。スピリチュアル・ジャズの名盤として、今でも輝く一枚です。
【商品紹介】
Lonnie liston smith / astral traveling
Lonnie liston smith
astral traveling
レーベル : Flying Dutchman
評価 :
『Astral Traveling』は、ジャズピアニストで作曲家のロニー・リストン・スミスが1973年に発表したデビューアルバムです。非常に密の濃い音像に覆われたスピリチュアルジャズの傑作で、現代の音楽に深い価値観を与えた音楽の一枚です。ジャズをベースとしながらもジャンルの垣根を簡単に超えるほど、豊かなメロディーに覆われています。アルバムタイトルの「astral traveling」は彼を代表する浮遊感漂うスピリチュアルなジャズファンク、「Let us go into the house of the lord」は瞑想とインスピレーションの境地へ誘うかのような新世界をみせる。70年代初頭に生まれたこの音楽は、時を超えたスピリチュアルジャズ名盤として、今日のアーティストに大きな影響を与え続けています。
【商品紹介】
Alice coltrane / world galaxy
Alice coltrane
world galaxy
レーベル : Impulse!
評価 :
アリス・コルトレーンは、ジャズピアニストのパイオニアであり、作曲家として、冒険心と音楽への革新的なアプローチで知られています。1972年に発表したアルバム『ワールド・ギャラクシー』は、ジャズ、インド古典音楽、スピリチュアリティの要素を融合させ、魅惑的な音像と彼女の創造的なビジョンを証明した作品です。John Coltraneの名曲を黒く濃厚なサイケデリック・ファンクに構築した「my favorite things」や織りなすストリングスとハープが壮大なサウンドスケープを演出する「galaxy in satchidananda」、sun raのように革新的で、サイケデリックなフリージャズを演出する「a love supreme」など「ワールド・ギャラクシー」は、簡単にカテゴライズできない息をのむような芸術作品です。聴くたびに新たな複雑さと美しさを見せてくれるアルバムです。ジャズ、ワールドミュージック、そしてスピリチュアル・ジャズファンにとって必須の名盤の一枚です。
【商品紹介】
John coltrane / a love supreme
John coltrane
a love supreme
レーベル : Impulse!
評価 :
A Love Supreme は、伝説のジャズサックス奏者、ジョン・コルトレーンが1965年に発表したアルバムです。ジョン・コルトレーンの比類なき才能と深い精神性を持った作品で数十年を超えた時が経っても、色褪せない輝きを放つスピリチュアルジャズです。フリージャズをベースとしながらも、エモーショナルでメロディアスで、エルヴィン・ジョーンズ、マッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソンのそれぞれ4者4様でありながら調和の取れた楽曲を提供しています。この作品は、ミュージシャンやリスナーにインスピレーションと影響を与え続けている作品で、john coltrane quartet を語る上では欠かせないspiritual jazz 名盤の一枚です。
【商品紹介】
Pharoah Sanders / Thembi
Pharoah Sanders
Thembi
レーベル : Impulse!
評価 :
ジョン・コルトレーンの後継者とも言われるサックス奏者のファラオ・サンダーズによる作品で、スピリチュアル・ジャズの名演である「Astral Traveling」が収録されたアルバムである。ジャンルレスに時空を跨ぎ、50年以上もの歳月が過ぎた昨今でも、色せない輝きを放つ一枚です。タイトル曲の「Thembi」は、コルトレーンのバイブスを汲むスピリチュアルで穏やかなジャズファンクに仕上がっている。非常に濃密なグルーヴを持つ、70年代のスピリチュアルジャズの名盤です。
Dorothy ashby / the rubaiyat of dorothy ashby
Dorothy ashby
the rubaiyat of dorothy ashby
レーベル : Cadet
評価 :
ドロシー・アシュビーは、ジャズにソウルやファンクなどの影響を融合させ、独自のサウンドを作り上げた才能あるジャズ・ハーピストである。1970年に発表したアルバム『Rubaiyat』は、彼女のディスコグラフィーの中でも傑出した作品です。ファンキーなベースラインとグルーヴィーなパーカッションに、ハープ・琴の複雑なメロディが織りなす音楽は唯一無二の世界観です。
琴の音色とエキゾチックな音階が未開の地に誘う、ミュージシャンとしてのアシュビーの感情の幅が際立つバラード「Myself When Young」、琴の音色が響く最高に渋いファンクNo.の「The moving fingers」など、今日でも新鮮さと革新性を感じさせるスピリチュアル・ジャズ名盤として影響を持つ一枚です。
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