Listening Points
聴きどころ
CTIの作品には、卓越したプレイヤーによる正確で密度の高い演奏と、耳に残るメロディが同居しています。エレクトリックピアノ、ギター、ホーン、ストリングス、パーカッションが立体的に配置され、ジャズファンクの強いグルーヴからメロウなソウルジャズまで一枚の中で行き来します。難解さに寄りすぎず、それでも細部まで聴き込める。このバランスこそがCTIとKuduの大きな魅力です。
Album List
名盤一覧
Outback
サックス奏者Joe Farrellが、1971年の録音を経て1972年に発表したCTI作品です。ドラムにElvin Jones、ピアノとエレクトリックピアノにChick Corea、ベースにBuster Williams、パーカッションにAirto Moreiraという強力な布陣が参加しています。 タイトル曲「Outback」は、深くうねるベースと控えめながらタイトなドラムの上を、Joe Farrellの流麗なフルートとサックスが進む一曲。濃密なジャズの緊張感と、CTIらしい洒落たムードが共存しています。「Sound Down」ではファンキーな導入から軽快に展開し、オーセンティックなジャズのプレイも存分に楽しめます。音はもちろん、印象的なジャケットまで含めて手元に置きたくなる名盤です。
Forecast
1973年に発表されたギタリストEric GaleのKudu作品です。Roberta Flackで知られる「Killing Me Softly with His Song」を柔らかなギターで解釈しながら、ファンキーな「Cleopatra」、哀愁を帯びたギターとレゲエ調のリズムが心地よい「Dindi」、浮遊感のあるエレクトリックピアノが印象的なタイトル曲「Forecast」まで、多彩な表情を聴かせます。 フュージョン、ファンク、ジャズ、ソウルが自然に混ざり合い、ギターの歌心とリズムの黒さを同時に味わえる一枚。Kudu/CTI系クロスオーバージャズの王道を知るうえで外せません。
Deodato 2
ブラジル出身のアレンジャー/キーボード奏者Deodatoが1973年に発表したCTI第2作です。黒いイントロからストリングスと映画音楽のようなスケールへ広がる「Pavane for a Dead Princess」、切れ味鋭いリズムとキーボードが疾走する「Super Strut」、現代的なファンクネスを備えた「Skyscrapers」など、色褪せない名曲が並びます。 「Rhapsody in Blue」ではGershwinの楽曲をファンキーなリズムへ置き換え、前作『Prelude』の流れを受け継ぐ壮大なアレンジを展開。実験性とポップな聴きやすさを高い次元で両立した、Deodato黄金期の一枚です。
Prelude
CTIを代表するアレンジャーDeodatoが、1972年の録音を経て1973年に発表したCTIでの初リーダー作です。Richard Straussの交響詩をファンキーに再構築した「Also sprach Zarathustra (2001)」は、映画『2001年宇宙の旅』で広く知られたテーマを、黒いジャズファンクへ変貌させた代表曲。クラシック、ロック、ジャズ、ファンク、映画音楽の要素が大胆に融合しています。 「September 13」は、印象的なドラムの導入から進むミディアムテンポのジャズファンク。緻密なアレンジと強烈なグルーヴ、聴きやすいメロディが揃った、CTIの入口として最適な一枚です。
From a Whisper to a Scream
CTI傘下のKuduから1972年に発表されたEsther Phillipsの名盤です。Gil Scott-Heron作「Home Is Where the Hatred Is」は、タイトなファンクネスとメロウな陰影を持つミディアムナンバー。「To Lay Down Beside You」では、ソウルの温度感をクロスオーバージャズの洗練されたアレンジで包み込んでいます。 「That's All Right with Me」は、Mobb Deep「Give Up the Goods (Just Step)」でQ-Tipが使用したサンプリングソースとしても知られる一曲。Esther Phillipsの深い表現力とKuduらしいブラックネスが結びついた、ヴォーカル系CTI作品を知るための重要作です。
First Listen
まず1曲だけ試すなら
CTIらしい大編成の高揚感ならDeodato「Also sprach Zarathustra」、黒いグルーヴなら「Super Strut」、ソウル側から入るならEsther Phillips「To Lay Down Beside You」がおすすめです。いずれもYouTubeのTopic音源で試聴できます。
Summary
まとめ
CTIとKuduの作品は、ジャズの技術と自由さを保ちながら、ファンク、ソウル、ロック、クラシック、映画音楽の魅力を広く取り込んでいます。緻密なのに聴きやすく、何度聴いても新しい音が見つかる。その奥行きが、70年代の録音を現在のリスナーやビートメイカーへつなぎ続けています。まずはDeodatoの2作品でCTIのスケール感を掴み、Joe FarrellとEric Galeで演奏の深さを、Esther PhillipsでKuduのソウルフルな側面を味わってみてください。
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クロスオーバージャズ、フュージョン、ジャズファンク、サンプリングの流れへ聴き広げます。
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