Groove Shinin' Music Guide
クロスオーバージャズ名盤特集|CTI周辺から聴く70年代ジャズ名盤
クロスオーバージャズは70年代に多くの名演が残された音楽です。ジャズを軸に、フュージョン、ジャズロック、ソウル、ファンク、AOR的なムードまでが混ざり合い、独創的でありながら聴きやすい作品が数多く生まれました。特にCTIやKudu周辺には、今でもブラックミュージックのサンプリングソースとして愛される楽曲が多く残されています。ここではBob James、Dave Grusin、Wes Montgomery、Freddie Hubbard、Hubert Laws、Grover Washington Jr.など、70年代前後のクロスオーバージャズを知るうえで押さえたい名盤を紹介します。
Listening Points
聴きどころ
クロスオーバージャズは、硬派なジャズの即興性だけでなく、リスニングミュージックとしてのムード、ファンクのリズム、ソウルの温度感を持っています。音色も豊かで、エレクトリックピアノ、フルート、サックス、ギター、ストリングス、シンセサイザーが緻密に組み合わされます。AORやフュージョンが好きな人にも入りやすく、ヒップホップやR&Bのサンプリング元を掘る入口としても優秀です。
Album List
名盤一覧
One
ピアニスト、作曲家、プロデューサーであるBob Jamesによる1974年作。多くのブラックミュージックでサンプリングされてきた定番盤として知られています。特にアルバム終盤の「Nautilus」は、90年代ヒップホップのプロデューサーに大きな影響を与え、現代のアーティストにも参照され続けている独創的なクロスオーバージャズの名曲です。 フュージョン、ファンク、ジャズのリズムと自由な音楽性を持ちながら、場面によってはサウンドトラックのような情景が浮かぶ空間性もあります。Roberta Flackの「Feel Like Making Love」をBob James流に解釈したカバーも素晴らしく、メロウで洗練されたCTIサウンドを味わえる一枚です。
Mountain Dance
ピアニスト、キーボーディスト、アレンジャー、プロデューサーとして知られるDave Grusinによるアルバムです。シンセサイザーや生楽器の音色を贅沢に取り込み、緻密で透明感のあるサウンドを全編で楽しめます。ドラムにはHarvey Mason、ベースにはMarcus Millerが参加しており、演奏面でも非常に質の高い作品です。 「Either Way」は美しいピアノの音色とグルーヴが印象的な楽曲で、Notorious B.I.G.にもサンプリングされています。70年代後半から80年代にかけて台頭するシンセサイザーの質感や、今でも耳にするコマーシャルミュージックの原点のような要素を多く含んだ、都会的なクロスオーバージャズ名盤です。
A Day in the Life
オクターブ奏法の名手Wes MontgomeryがA&M/CTI期に残したアルバムです。タイトル曲「A Day in the Life」は、メロウでグルーヴィーなサウンドにWes Montgomeryのギターの音色が調和した有名曲。リスニングミュージックとしてもムーディーなジャズとしても楽しめます。 レアグルーヴとしてもおすすめで、ミックステープやサンプリングソースとしても使用されてきた重要な一枚です。クロスオーバージャズを聴くうえで欠かせない、ジャズギターの名盤の一つです。
Straight Life
トランペッターFreddie HubbardによるCTIからのクロスオーバージャズアルバムです。Freddie Hubbard、Joe Henderson、Herbie Hancock、Ron Carter、Jack DeJohnette、George Bensonという、70年代ジャズとフュージョンを代表する豪華な面々が参加しています。 全体を通して緻密なサウンド、ファンクネス、ブラックネスを感じることができます。「Mr. Clean」の極上のファンクネスは、今聴いても鮮度が高く、多くのミュージシャンへ影響を与え続けています。一方で「Here's That Rainy Day」ではムーディーなトランペットの心地よさを存分に味わえます。フリーで自由な演奏と、リスニングしやすいクロスオーバー感が同居する素晴らしいアルバムです。
The San Francisco Concert
フルート奏者Hubert Lawsによるクロスオーバー作品です。1曲目の「Modaji」は、サンプリングライクなイントロから美しい上ネタが絡むムーディーなミディアムファンク。参加メンバーも70年代を代表するジャズ畑の面々で、アレンジャーにBob James、ドラムにHarvey Mason、ベースにGary Kingという豪華な布陣です。 「Feel Like Making Love」では、軽快なHubert Lawsのフルートが美しく響きます。Bob Jamesのキーボードの音色も楽しく、CTIらしい洗練とファンクネスを同時に味わえる一枚です。
Mister Magic
ファンキーでフュージョン感のある音楽を聴かせてくれるGrover Washington Jr.のKuduレーベル作品です。黒いファンキーなイントロがクールな「Black Frost」、軽快なイントロからファンキーなサックスが響くタイトル曲「Mister Magic」など、アルバム全体にリラックスしたムードとジャズファンクのグルーヴが漂います。 瞑想的でスムースなイントロから軽快なフュージョンファンクへ進む展開も心地よく、クロスオーバージャズの聴きやすさと黒さをバランスよく味わえる名盤です。
First Listen
まず1曲だけ試すなら
クロスオーバージャズの入口として、まずはBob James「Nautilus」、Dave Grusin「Either Way」、Hubert LawsのCTIらしいフルートの響きをYouTubeで軽く試す流れがおすすめです。サンプリング文脈、透明感のあるフュージョン、ムーディーなライブ感をそれぞれ短時間で掴めます。
Summary
まとめ
クロスオーバージャズは、ジャズの演奏力を保ちながら、ファンク、ソウル、AOR、フュージョンの聴きやすさを取り込んだ音楽です。CTIやKudu周辺の作品は、ムーディーで洗練されているだけでなく、後のヒップホップやR&Bのサンプリングソースとしても重要です。まずはBob James、Dave Grusin、Freddie Hubbard、Hubert Laws、Grover Washington Jr.あたりから聴くと、70年代クロスオーバージャズの魅力がつかみやすいと思います。
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クロスオーバージャズから次に聴くガイド
フュージョン、ジャズファンク、ピアノ、ボサノバへ滑らかに広げます。
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